高齢者とてんかん ③【つちやま内科クリニック 土山雅人(日本神経学会専門医)】(174号)

脳神経内科 つちやま内科クリニック
ヘルスコラム

 高齢者では側頭葉の電気活動が異常になる「側頭葉てんかん」が多いのが特徴です。この場合、発作時に意識レベルがある程度低下(意識混濁)することが多く、複雑部分発作と呼ばれる発作型がみられます。これは手足をがくがくさせるようなけいれんを伴わないことが多いので、見逃されていることは少なくありません。
 側頭葉てんかんの複雑部分発作でみられるてんかん発作は、急に動きが止まって、口をもぐもぐと動かしたり身体を揺すったりしはじめ、数分程度で元に戻るといった“なにげない動作(自動症)”が主体の「静かなてんかん発作」です。意識レベルは低下しても倒れることはなく、意識が戻っても数時間ほど、ぼうっとした状態が続くことがあります。人によっては発作中に怒りっぽくなったり、意味もなく声を荒げるといった行動をとることもあります。本人はこのような発作のことは覚えていません。あたかも認知症のようにみえることもあるので要注意です。その一方で、各種の認知症の人でもこのようなてんかん発作を併発することもあります。
 てんかんの多くは薬で発作を止めることができます。そのため、てんかんの人を認知症と間違わないことと、認知症の人のてんかん発作を見落とさないことの両者が重要です。

つちやま内科クリニック 土山雅人(日本神経学会専門医)
西宮市段上町1-1-22(甲東園駅東へ3分) TEL0798-57-3600
http://www.tutiyama-clinic.com

関連記事一覧