戎座人形芝居館の企画展示については、当館の閉館に合わせて終了いたしました。

戎座人形芝居館2012年秋 企画展示

入館無料 ご自由にご覧いただけます。
特別企画展タイトル
 
えべっさん いらっしゃーい

「人形劇の図書館」コレクションから

●多彩なえべっさんの表情!えべすさんを描いた、様々な錦絵、引札から

 2012年10月展示開始 
人形劇の図書館所蔵

特別企画展2012年秋

 この西宮の戎座人形芝居館における企画展示も回を重ねてきて、人形芝居やえびすについての様々な資料をご覧いただいてきました。今回は、えべっさんがこの戎座人形芝居館に、にこやかに入ってきてもらえるようにとの願いを込めて、「えべっさんいらっしゃーい」とタイトルをつけての、えびすの表情を、引札、浮世絵などさまざまな資料からご覧いただきます。
※期間中一部展示替をする場合があります。


 えびすはいつの時代も庶民のしあわせのシンボルとして、またさまざまな芸能にもとりあげられて、たえず身近な存在でありました。なので、浮世絵や錦絵、引札、お札などなど刷り物にもたくさん登場しています。
 今回は、そのさまざまな刷り物によるさまざまな視点によって描かれた、さまざまな表情のえべっさんを24点を見ていただいて、いかに身近な生活の中にえべっさんが存在していたのかと、再確認いただけることかと思います。

特別企画展2012年秋

 人形劇の図書館のコレクションには、人形芝居、人形劇にかかわる数々の資料があり、その中には浮世絵、引札、立版古などの刷り物も数多く含まれています。それらは人形芝居そのものを描いたものであったり、その周辺の関連の絵であったりしますが、その関連資料として人形芝居の神様ともいえるえびすさんがあるのです。
 
 戎座人形芝居館における過去の展示も多くの方々にご覧いただきましたが、民間の運営によるこのような場所があってこその企画展示であり、この場所が展示だけでなくいろいろな催しをおこなってきていることも賞賛に値することといえます。

潟見英明さん

 今後とも、こうした場所がいかに大事な意味をもっていることか、再認識していただき、今回の企画展示も楽しんでいただければさいわいです。

人形劇の図書館  潟見 英明



 

人形劇の図書館は日本で唯一の人形劇の専門図書館。1万冊以上の人形劇と人形劇関連蔵書に数万点の資料を収集している。その資料には引札から浮世絵、立版古、街頭紙芝居、ポスターなど人形劇の周辺資料も多く含まれる。国立劇場のホームページの人形芝居の監修や資料提供なども行っている。最近は卒論に人形劇を取り上げた学生が全国から資料を調べたり、国際的にもその存在は知られ、海外でも所蔵コレクション展をおこなっている。人形劇・トロッコが運営し、必要に応じ図書や各種資料の閲覧ができるが、開館は不定期なので事前に確認を。

人形劇の図書館
〒520-0113 滋賀県大津市坂本8-22-15人形劇・トロッコ
TEL 077-578-5455   E-Mail torokko@nifty.com




戎座人形芝居館の引き幕について

自然色とえべっさん

 この戎座人形芝居館に引き幕は、江戸時代以前、庶民の中でごく普通に使われていた天然の染料・顔料で染められています。ベースのえび茶は、「弁柄(べんがら)」と「柿渋(かきしぶ)」を何度も染め重ねました。

引き幕

 弁柄は酸化鉄を含む土から精製してつくる顔料で、古都の町屋を彩る赤い弁柄格子はご存知の方も多いでしょう。古来より「赤」は魔よけの意味などがあり貴重な色でした。神社仏閣で使われた朱(しゅ)や絹の着物に使われた茜(あかね)や紅花(べにばな)は、高価な顔料・染料でしたが、弁柄だけは庶民にも手が届く「赤」だったのです。
 一方、柿渋はさらに庶民の中に入り込んだ染料です。藍と共に柿渋は生活に必要不可欠の染料だったと言っても過言ではありません。柿渋は渋柿(豆柿)を 初夏の青いうちに採取し、甕の中で粉砕し水を加えて発酵させて作ります。柿渋には耐水効果があり、壁や器 傘や合羽 舟や網など水周りの物にはかならず染められ、戦前の酒造行程で使われた「酒袋」にも柿渋が使われていました。
 いずれも漁師や町人たちの信仰対象だった「えべっさん」と縁がある色と言えるでしょう。なお、弁柄は人畜無害ということもあり、現在では自然派化粧品にも使われています。また、柿渋はシックハウス症候群対策などから建材などにも使われ、その野趣な味から バッグや着物などとしても見直されています。

文責 「染織工房 勝部」