特集　次世代の幸せを求めて カフェの六次化実践と提案！（174号）

六次化（六次産業化）という言葉を知っているでしょうか。
第一次産業（生産）から第二次（加工）・第三次（販売）までを自社で行い、中間コストを削減しながら消費者に想いを伝えることができるシステムです。今回は、それぞれの「食やモノ」への想いを、ゆるやかな六次化で実現しているお店を紹介しましょう。

◆健康な子育てや里山づくり…

幸せに生きるライフスタイルを提案　ココザイオン

ご主人の佐藤陽介さん

人気の鹿肉カレーは、ご主人の佐藤陽介さんが山師匠と慕う猟師がしとめた鹿を自らがさばいたもので、「里山で生ききった野生肉には幸せ感があります」と話します。さらに、平飼いで育てた自然の有精卵や、農薬・化学肥料・有機肥料さえ使わずに育てた自然栽培の野菜など、エネルギー溢れる素材を使います。
カフェに入った瞬間から、ほっとする空気感。麻炭パウダーを練りこんだしっくい壁に、角のない木のしつらえと流木アート。奥にある「蘇生の間」では、ヘアカットやボディマッサージも。ほとんど手作りでゆったりとした住空間を提案しています。
佐藤さんは10代で夢を求めて米国に留学、「当時はジャンクフードの食生活でしたが、ある出会いからオーガニックに変えていき、暮らしの全てに良い変化が訪れた」と話します。その後ハワイでのオーガニックバナナ園で就労、様々な体験から、すべての人が健康で幸せに生きることをサポートしたいと同カフェをつくり、健康な子育てや里山づくり、六次化を実践しているのです。
野菜やオーガニック食材、麻炭パウダーや電磁波防止グッズなど健康環境に配慮した日用品などが並びます。様々なセミナーも開催され口コミで広がっています。

人気の鹿肉カレー

オーガニックカフェ＆ショップ　cocozion （ココザイオン）

◆甲山で育てた椎茸やはちみつ料理

森の農（みのり）　甲山ハニーガーデンカフェ

ご主人の大東義弘さん

県立西宮甲山高等学校からすぐ、道沿いに昨秋オープンした「甲山ハニーガーデンカフェ」。ご主人の大東義弘さんは、排水処理施設の技術者から養蜂家に転身。そして、持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系を提案する世界中で展開している「パーマカルチャー」に参加。そこで、農業のあり方や食や人との繋がりなどを学びました。
祖父が営んでいた「湯元レストハウス」跡を利用し、養蜂を試しながら、蜂が元気に自然のままに生きる養蜂を目指します。さらに「この地を、人をつなぐ集い場にしたい」と、カフェや大人も子ども遊べる自然空間をつくりはじめたのです。
ここで栽培する椎茸やブルーベリー、はちみつ、みつろうを使って、大東さん一家でつくるキッシュ（５００円）やカヌレ、ジャム、野菜の重ね煮スープはどれも優しい美味しさ。薬膳鹿肉カレーは、「鹿肉は美味しく身体に良いので食べる習慣が広まってほしい」と提案したもの。
人の森への関わり方が変化したことで鹿の異常発生が起きたものだということも知ってほしいと話します。美しい甲山の四季に合わせて、森の保育園や薪割り体験、マルシェも開催しています。

キッシュ（500円）

森の農（みのり）　甲山ハニーガーデンカフェ