ともも人物図 【ウクレレ奏者 NOV(ノブ)】趣味を誠実に楽しむことで豊かな人生が見えてきた(176号)

ともも人物図

今回は和やかな雰囲気のライブやワークショップも好評、ウクレレをツールにして自然体で笑顔の輪を広げているNOV(ノブ)さんにお話を伺いました。

■ウクレレとの出会いは?

ウクレレ奏者ジェイク・シマブクロの演奏を聴いて「ウクレレでこんな風に弾けるんだ!」って衝撃を受けました。そしたら無性にウクレレが欲しくなって、ハワイ産の約6万円の楽器を手に入れました。高すぎるかなと思いましたが、木目も音色も気に入ったので思い切って買いました。結果的に簡単にやめられなくて正解でした。最初は独学でしたが、きちんと教えてもらいたくなり教室を探したときにすぐに連絡をくれたのがT.T cafe.のかねだたつこさんでした。師匠と出会い、テクニックを教えてもらったのは勿論の事ですが、ウクレレ交流会に出演したり、多くの仲間に出会うことができて、世界がうんと広がりました。

■ウクレレでシャンソンの弾き語りですか?

昔からシャンソンが大好きなんです。アズナブールの最後の公演も大枚はたいて見に行きました。中央の前から2番目の席。96歳とは思えないステージでした。古いシャンソンも掘り起こして歌い続けたいです。

■「SATOMI」って曲は実話が元になっているのですか?

ベルばら世代で、まぎれもなく安奈淳さんのファンクラブのメンバーだったのです(笑)。そこで出会った大切な友人が病気で亡くなったんです。とても悲しかった。彼女は浦安在住だったのでディズニーランドの前を通って葬儀場に向かいました。前日から泣き腫らした目をサングラスで隠して、喪服姿の私たち友人は人生の光と影を感じながら、ひたすら無言で歩きました。
そんな彼女が亡くなって5年目の事。いつもの様にウクレレをつま弾いていると、曲と詞が同時に降りてきました。自分でもびっくりして、慌ててコードを書き留め、録音しました。出来上がった曲は亡くなった彼女のご主人の心情にピッタリすぎる内容でした。これはご主人にプレゼントしなきゃと思ってCDにしたのが最初のオリジナル曲「SATOMI」です。贈ったCDをご主人は車の中で聴いたみたい。涙が溢れて運転できなくなって車を止めたって。
悲しみに寄り添うことで、私自身の悲しみも癒されたからかな?同時に「わたしガンバル!!」という曲も誕生しました。この曲は私が悲しみを乗り越えて、前を向いて歩くんだという決意だと思う。

■ソロライブのきっかけは?

師匠から「そろそろライブをやれば?」と言ってもらったり、友人もバースディライブを企画してくれたりして、背中を押してくれました。現在は西宮コネクトカフェJam(ジャン)で定期ライブを開いています。

ともも人物図 【ウクレレ奏者 NOV(ノブ)】趣味を誠実に楽しむことで豊かな人生が見えてきた(176号)

■今の自分にとってウクレレとは?

死ぬまでずっと弾き続けたい。ウクレレサークルMauna☆lele(マウナレレ)を主宰していますが師匠から教わったテクニックを伝授できるよう課題曲を選ぶんです。今度はレゲエに挑戦。みんながどんどん上達するのを見るのも楽しいです。「5分でも10分でもポロンポロン弾き続けて」と言ってます。積み重ねたものを持ち寄って合奏すれば、想像以上の事が出来ます。その達成感を味わってもらいたいんです。

今後は小さなお子さんたちにもウクレレの種まきをしたいそう。ウクレレで自分を励ましたように人を励まし続けているNOVさん。ウクレレの音色のような包容力が素敵でした。(久保)

◻プロフィール
武庫川女子短期大学卒業後はデザイン事務所勤務。T.T.caféのかねだたつこ氏に師事。ウクレレ弾き語りとウクレレデュオC.N.café(セーエヌ・カフェ)で活動。

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