ともも人物図 【NPO法人認知症予防サポートネット代表 福田 章さん】日常に役立つ楽しめる認知症予防講座を! (189号)
NPO法人認知症予防サポートネットを立ちあげ、企画開催した認知症予防講演は約1600回。日常に役に立つ内容で楽しみながら聴講できる講座として様々な団体から依頼があるそうです。代表理事として講師はもとより、資料制作から劇の脚本まで手掛ける福田章さんにお話を伺いました。
■動機はなんですか?
今はシスメックスと合併しましたが、当時は臨床診断医薬品メーカーで営業から管理職まで勤め上げ無事定年。さあ何かしなければと思っていたときに、新聞に健康生きがいづくりアドバイザー(財団法人健康生きがい開発財団)の募集記事を見つけました。柏市モデルを手掛ける辻哲夫さんが理事長で、なんとなく面白そうだと行ってみたのがきっかけです。
■アドバイザーになったのですか?
私は兵庫県健康生きがいづくり協議会の組織のメンバーとして、月に一度の認知症の勉強会に出席する傍ら、全国早期認知症予防研修会にも参加しました。そこで金子満雄医師から「予防は医者じゃなくても誰にでもできる」と聞いたのです。それなら自分たちで勉強会を開催して地域に役立つことをしようと、勉強会の仲間に声をかけNPO法人を立ち上げました。
■1600回とは凄い!内容はどのようなものを?
「日常生活に役に立つ」をモットーにして、予防する生活習慣、ゲームやクイズで脳を鍛える脳はつらつ講座、早期発見講座、脳を鍛える運動講座、笑って元気の笑いヨガ、楽しい音楽療法ゲーム、思い出語り回想法、健康長寿の食生活、落語や劇、法律相談など独自で開発したものばかり。実際のレントゲン写真を使ったり、サイコロゲーム、カルタや文字しりとりなどを使いチームに分かれて競争します。皆さん夢中になりますよ。
■劇も?
認知症予防劇「ぼけたらあかん」、詐欺事件予防劇「サギにご用心」があり、素人劇だからこその面白みがあり人気です。「サギにご用心」は防犯協会から依頼を受けて講演しています。これも自作です。話を聴くだけより、ドラマとして見てもらった方がわかりやすいですからね。
■これだけの内容の講師陣はどこから?
厚労省や西宮市などの後援をもらい自主講座を開くと、様々な職業の方も参加されて質問が多岐にわたります。そこでいろいろお話させていただく中で、私が一本釣り(笑)。講師としては知識も力量がいりますから実践しながら勉強していただいています。
生涯現役で社会に役立つことができれば幸せです。苦手なことに挑戦すると新しい道が開けます。どんなことでもいいので是非チャレンジしてください。そして、互助の輪を広げるべく、認知症予防のアドバイザーになって一緒に活動しましょう。
2022年10月12日(水)は西宮浜公民館、同25日(火)は香櫨園市民センターにて「詐欺にご用心」の劇を披露。演者となるメンバーも介護や体調などで交代しながらの舞台です。出演者に合わせて脚本も書き直すとか。ゲームの材料もすべて手作りする福田さん。みんなが笑ってくれると嬉しいそう。歳をとれば取るほどに心のガードは強固になりがち。誰とでも話せるように心を開くためにも一歩踏み出す勇気は必要ですね。(武地)
◻プロフィール
1943年佐賀県嬉野市生まれ。近畿大学理工学部卒、1970年臨床診断用医薬品メーカーIRCに入社、2001年退職。2010年NPO法人認知症予防サポートネット設立、代表理事。趣味:クォーターテニス。
◆NPO法人認知症予防サポートネット:西宮市神垣町3-20-401 TEL0798-71-6411 ホームページはこちら