西宮をたがやすノーラ・マルシェ 足元から暮らしを考える(189号)

西宮をたがやすノーラ・マルシェ 足元から暮らしを考える(189号)
1面特集記事
代表の一色風子さん

代表の一色風子さん

西宮市役所前の六湛寺公園には様々なイベントが開催されています。昨年から始まった「ノーラ・マルシェ」は次回10月15日(土)の開催で6回目となります。「西宮をたがやす」という気持ちのいいコピーを掲げた活動の一環。代表の一色風子さんにお話を聞きました。

7月31日(日)に開催されたノーラ・マルシェには、朝9時から大勢のお客様。主に親子連れが訪れています。店を開くテントブースは約25軒。西宮とその近郊で有機や無農薬、他元気で新鮮な野菜を育てている生産農家さんを主に、就労支援団体のコーヒーや手作りカレー、個人店のオーガニックの焼き菓子やインドの手作りお菓子、保育園のリサイクル子供服や大人服。蜜蝋や麦わら帽子の作り方も。
そもそもは、西宮の暮らしを足元からみつめていこうと「西宮をたがやすプロジェクト」(代表 武井勝敏、一色風子)を発起し、集まったメンバーが具体的に考える場としてこのマルシェを開催することになったのです。
「食を通じて自分たちの身の回りのことを考えていこう。消費者として考えながら買い物してほしい」という趣旨で、家族連れで来てもらい、楽しみながら生産者と消費者が繋がる仕組みを構築しようと企画したもので、有機やオーガニックにこだわらずに西宮で野菜を育てる農家さんに声をかけていきました。
「さらに私たちは、土を守りたいのです。日本の食料自給率が38%から今も徐々に微減、農業を辞められて休耕地が増えています。南部地域は住宅開発で生産緑地はどんどん消失している。フードマイレージを考えると近郊の野菜が望ましいし、虫たちがきて緑豊かな畑で、新鮮な野菜を市民に提供してもらいたいのです。一度手放すと、土壌は汚染され、元に戻すのは難しくなります。だからできるだけ畑として活用して価値をあげていきたいのです」。
一色さんは、子どもの頃から食の環境に熱心な家庭で育った所為もあって、地産地消、低農薬有機野菜をベースの保育園で調理師を10年経験しました。当たり前にある野菜が突然手に入らなくなることも多かったそうです。農家さんの中では高齢で手放す方もいるからなのです。個人的にも船坂に農地を借りて野菜を育て、「昔からの農家の人たちの気持ちは新参者には汲みとれないものがあります。だからこそ、みなで考えて行く場をつくりたい」と話します。
また、マルシェはその他参加団体や市民とのコミュニケーションを図ることも重要な目標にしています。例えば、不登校の親の会はほとんどが内部で解決を図ろうとしていますが、他団体や個人に発信して解決の幅を広げていけるようにするとか、また行政の方にも声をかけ、若手の勉強会に市民の声を反映する機会を提供しています。今回参加した土木建築関係の若手の勉強会は手づくりのユニークな椅子を置いて気軽に会話する場を作っていました。「出店者、来場者の皆さんに育ててもらっているマルシェです。気軽に様々な出会いを楽しんでください」と話してくれました。

★ 次回開催予定 ★
♥日時:10月15日(土)、1月9日(月・祝)の10:00~14:00
♥会場:六湛寺公園(西宮市役所前)
♥問い合わせ: TEL 080-3035-5562(一色)

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