矯正のお話【保田矯正歯科　保田好秀】（180号）

よく風邪をひく子どもがいますが、そういう子は、鼻をぐずぐずさせて、口をぽかんと開けていることが多いように思います。母親は、最初のうちは小児科や耳鼻科へ連れていくのだけれど、しょっちゅう繰り返すものだから、慣れてしまって、多少の鼻詰まりなんか気にしなくなったりします。さて、その子どもたちが小学校に上がり、永久歯の前歯が生えてくると、はたと前歯が揃っていない！と心配になって、私どものところへ歯並びの相談にみえたりします。 　その際私は、鼻が詰まっていませんか？風邪をひき易くないですか？等と尋ねています。当人の口の中を診ますと、たいていはベロが低い位置にとどまっています。鼻で息ができない子は、口で息をせざるを得ないので、ベロを低い位置に置きます。そうなると、頬っぺたが、弱いですが、常に内向きに力をかけているので、上の顎が狭くなり、続いて下顎も狭くなり、それで前歯がきれいにならばなくなったりするわけです。 　口呼吸で上顎が狭くなると、天井が狭くなり、天井裏の鼻腔も狭くなり、鼻も詰まり易くなります。鼻呼吸できないと、口呼吸になるという悪循環ですが、フィルターを通さない冷たいそのままの乾いた空気が気管や肺に到達するので、風邪もひき易くなるわけです。風邪も前歯の不揃いも、どちらも鼻詰まりに大いに関係があるということです。

保田矯正歯科　保田好秀
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