矯正のお話【保田矯正歯科 保田好秀】(194号)
ヘルスコラム
先日、新潟で矯正の学会がありました。今回は私どもが日々の診療で重要視している呼吸や睡眠の話題はほとんど見かけられませんでしたので、少し物足らなく思ったのですが、当院でも扱っているマウスピース型矯正装置の話題が取り上げられていたのがよかったと思います。
このマウスピースはどの歯科医院でも、精密に採った患者さんの歯型、あるいは光学印象として3Dスキャナーを用いたデータを製造元に送れば、コンピュータが設計して、最初から最後までの一連のマウスピースが医院に届くシステムになっています。ですから、適切な診断も無く、綿密な治療計画もなく、ひどい場合には歯科医師も介在しないこともあり得ます。こんなことではトラブルの原因にもなりかねません。そのため、ガイドラインを作成するという話もありました。
マウスピース矯正のスタートラインには誰でも立てます。しかし、我々は矯正医としてAIの言うことを100%信じるのではなく、経験上こんなことは無理だとか、限界を超えているとかの判断を加味しなくてはなりませんし、診療途中で計画通り進んでいるかのチェックも必要になり、不具合なら修正していく必要もあります。そこで、長年培った矯正治療の常識というか、経験がものを言うのです。そのあたりのことが再確認できただけでも、新潟まで行った甲斐がありました。
保田矯正歯科 保田好秀
西宮市甲子園口3-20-3 0120-87-3015
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