矯正のお話【保田矯正歯科 保田好秀】(195号)
矯正歯科
先日、ウズラの卵を喉に詰まらせて窒息死した小学生の傷ましい事故のニュースがありました。今後、給食でウズラの卵を排除するとか、よく噛んで食べるように指導すると報道されていたように思います。事故を未然に防ぐための対応だと思いますが、事故が起こる度にその食品の使用を避けることが果たしてよい方法なのかはわかりません。
また、よく噛むことを指導徹底するということですが、よく噛まない子どもというのは、それなりの事情があると思います。私どもでは、「硬いお肉、ステーキのような塊は大丈夫ですか?」と聞くのですが、口呼吸の子は無理なことが多いようです。それは児童の呼吸数は1分間に30回弱ですから、ほぼ2秒に1回呼吸する勘定になり、ゆっくり奥歯で10回咀嚼すると8秒弱かかりますので、不正咬合の原因である口呼吸の子は、その間に3回ほど呼吸ができなくて、噛んでいられないとなるようです。ですから、皆がみんな、噛むことができるわけではないのです。
昨年の夏に相談にみえた二十代の女性ですが、薬を飲み込むのも大変だと仰っていたのを思い出しました。その時に、子どもの頃からうまく咀嚼◎嚥下ができてなくて、今に至ったのだろうと話し、鼻で呼吸をしていないのが一つの原因で、対処法としての具体的な矯正治療の話をしたのですが、その後どうなったのか心配です。
保田矯正歯科 保田好秀
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