ともも人物図 【甲子園口ほんわか商店街会長 Bar山谷店主 山谷 邦治】街に恩返し! 子どもたちが幸せになる街をつくろう(183号)
JR甲子園口ほんわか商店街では、地域自治体や他団体、学校などと連携してコロナで疲弊した街を楽しく元気にと、ユニークな活動を次々に展開しています。その企画運営は同商店街会長でありBar山谷オーナーの山谷さん。湧き出る発想の源など伺ってみました。
■商店街のテイクアウトブックは評判がいいですね。次の企画もあるのですか?
作るなら心を込めて。しかし時間がなくて、デザイナーやお店の方と一日中やり取りして作りました。今考えているのはキャッシュレスのPayPayの追加キャンペーンです。お金に非接触ですし、第一弾参加店はかなり助かりましたので、これから西宮市に相談に行きます。今止まったらだめなんです。やれることはまだまだあると思います。
■Bar山谷は緊急事態宣言中には休業?
はい、商店街の会長を努めていますので、自分から率先しないと説得力がありませんから。経営は厳しいです。商店街全体が沈むと各店にも影響は大きく、各個店がしっかりお客さまにファンになってもらうことによって少しは被害が抑えられるかと思います。
本来はこうした共通の想いで皆さんと動きたいのですが、有事なときですから、時間のある私と有志数名がとにかく考えて動いています。例えば、飲食店有志で一人親の子どもへのお弁当と医療関係者へのお弁当支援などを考えました。NPO法人や保護司、市役所とも相談し、情報をもらいながら自分たちで進めています。
■子どもたちにイベント支援も?
小松小学校のクラブ活動の授業で、西宮女子サッカーチームのソリッソさんと3人制プロバスケットチームのEPIC.EXEさんと一緒に、子どもと楽しめるイベントを企画しました。校長先生が私の話を熱心に聞いてくださり実現できました。今、子どもたちは教室で思いっきり声を出せません。せめて喜びが心に残るものを提案できたらと。失敗するときもありますが、怖がって何もしないでいるより、『子どもたちが幸せな街を作ろう』と、心に訴え行動していくことが必要だと思います。子どもたちが笑顔でいられる未来は私たち大人の幸せにも繋がると思います。
■山谷さんの原動力は?
公園でゲームをしている子どもをみていると、これではコミュニケーションが取れなくなってしまうと憂いていました。そこで、息子とサッカーで遊ぶときに『一緒にしないか』と声をかけ遊ぶようにしました。次第に年齢関係なく30人ぐらいになり、誰もカードゲームやスイッチやDSなども持ってこなくなりました。私はサッカー好き、子ども好きではありますが、子どもたち自身が友達と遊ぶ楽しさに気づくきっかけを与えてあげればいいのだと思ったのです。そして、今は小学校の土日のスポーツ21のコーチと中学校のサッカー部の指導に朝夕通っています(笑)。
また、街への思いは、お客様が温かく時には厳しく導いてくれたからです。その恩返しを街にできたら、私を育ててくれた方への恩返しになると思いました。駆け出しの頃は先輩たちが厳しかったのですが、『俺に返さんでもいいから後輩に返してあげろ』と言ってくれたのです。また、中高の部活の先生は365日殆ど毎日サッカー部に関わってくれました。こうして育ててくれた恩は本当に返しきれないくらいの想いとなりました。ですから、今度は私ができることでお返ししたいのです。
初めは偽善と思われても百回行動すれば本物になると思います。子どもたちが大人になって、『サッカー好きのおっちゃんがいたなあ』と思い出してくれたら嬉しいです。
甲子園口のBarはそれぞれのウリを作って、回って楽しめるようにしたそう。Bar山谷のメニュー板に赤チュークで書いたものは近隣のお店のおすすめの品々。とにかく「街を楽しくしたい」想いがいっぱいの山谷さん。応援しています。(武地)
◻プロフィール
1977年 大阪市生まれ西宮育ち。県立鳴尾高校卒業後、辻調理師専門学校へ。レストラン勤務の後、甲子園口ヴィントミューレで独学で学ぶ。2009年Bar山谷をオープン。2019年甲子園口ほんわか商店街会長就任。
■Bar山谷
西宮市甲子園口3丁目21-5エムロード甲子園口 TEL0798-64-2800 19:00~24:00