ともも人物図 【関西学院大学生  原田 瑞穂さん】SDGsて何?から生まれた「今日からできるSDGs」ダイアリー !(184号)

ともも人物図 【関西学院大学生  原田 瑞穂さん】SDGsて何?から生まれた「今日からできるSDGs」ダイアリー !(184号)
ともも人物図

関西SDGsユースアイデアコンテスト2020で準グランプリに輝いた〝「今日からできるSDGs」ダイアリー〟。関西学院大学の5人の学生が取り組んだ活動です。これを思い立ち皆に呼びかけて活動をスタートさせたのはリーダーの原田瑞穂さん、SDGsへの思いなど伺ってみました。

■SDGsとの出会いは?

両親は西成区で家具を扱う会社を営んでいました。西成という地域は貧困層も多く、様々な人が暮らしているのですが、それは私にとっては当たり前の街の姿でした。私立の高校に進んだときに、クラスメートから西成出身だというだけで蔑まれるような目でみられることがあり、次第に自分の暮らす街を口にだせなくなったのです。
そんなときに学校の制度でカナダに1年留学しました。カナダでは自分の意見を言うことを求められます。そこで様々なことを考えるようになりました。SDGsに出会ったのもこのときで、西成区への偏見からSDGsの理念の一つ「だれひとり とりのこさない」という言葉に強く惹きつけられました。

◎ ともも人物図 【関西学院大学生  原田 瑞穂さん】

◎ ともも人物図 【関西学院大学生  原田 瑞穂さん】

■スウェーデンにSDGsの視察?

父は取引もあってスウェーデンの取り組みを勉強していました。ともに働く母も視察を希望し、私は環境問題について勉強したかったこともあり同行しました。北欧は幼児期からの教育そのものが日本と違いました。暮らしの中のあらゆることを地球環境との関係を考えながら学ぶシステムになっていて、結果、環境に配慮した企業やお店、活動を一般市民が応援し、まちを作り上げていました。学ぶことが多すぎて、私はどうしたらいいのかと悩みました。

■どう考えたの?

することが分からないなら知ろう。そして行動できるようにしよう。そのために私にできることは何だろうと考えました。それで生まれたのがこのSDGsダイアリーです。自分のモチベーションを高めるために直近のSDGsアイデアコンテストを探し出し、企画書をかきあげて応募しました。残念ならが落選でした。
他の人の意見も取り入れて再チャレンジしたいと考え、大学の教授や友人にこの構想を話し続けました。すると、教授が授業の作業チームのひとつにしたらいいと言ってくださり、皆の前でプレゼンして呼びかけ、賛同するメンバー5人を得てチームができたのです。どんなことがSDGsなのか、企業活動や個人行動、豆知識、そして毎月の自分の目標などを書き込めるようにして、見開き1ページで簡単にSDGsが学べるように作り変えました。

■クラウドファンディングで?

はい。資金がないなら支援してくれる人を募ろうということになり、30万円を目標にして呼びかけました。なんと227人の支援者から170万円を提供いただきました。思いがけない支援に感無量でした。そして450冊を印刷し、出来上がったダイアリーを持ってコンテストに再チャレンジしたのです。

■みなさんの反応は?

支援者に返礼としてダイアリーを贈りました。残ったものを1650円で販売し一ヵ月で完売しました。対象年齢によって内容を変えた方がいいとか、仕事の手帳としては使いにくい部分があるとか、SDGsがよく分かったなど様々ご意見をいただきました。さらに修正してより実践し易いように改良し、次年度は企業協賛を頂いて作成しようと思っていますので、ご協力よろしくお願いいたします。

「私は目標13番(気候変動に具体的な対策を)に向けて活動します。地球環境あっての社会ですから」と、はっきりと自分の想いを伝える原田さん。想いを形にするためにチームワークやリーダーシップを学んだそうですが、何より関わった皆さんの暖かな言葉に助けられ成長したと話します。まずはやると決めて、あらゆる可能性を考え、失敗しても修正していく。私も歳だと甘えてはおられません。できることからですね。(武地)

◆SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは 「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。


◻プロフィール
2000年生まれ。大阪市西成区に暮らす。大阪学芸高校2年のときにカナダ1年留学。関西学院大学人間福祉学部社会起業学科3回生。2021年、SDGsダイアリー制作チーム(徳永侑也、千原由莉、島袋芽衣、金子明日香、原田瑞穂)で、SDGsアイデアコンテスト準グランプリを受賞。
https://readyfor.jp/projects/SDGs2020diary

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