矯正のお話【保田矯正歯科 保田好秀】(174号)
ヘルスコラム
今回は矯正治療の開始時期についての話です。顎の骨を離断する手術を併用したり、あるいはアンカースクリューを用いることで、大方のケースは対処できますので、大人になってからでも一応可能は可能です。一般的に矯正の先生は、十二歳臼歯が生えそろってからとよく言います。日本歯科矯正専門医学会(私は存じ上げなかったのですが…)という団体に至っては、「上の前歯が出ている子どもは、永久歯が生えそろうまでは、矯正治療を行わない方がいい」と断言している程です。
私も矯正医ですが、こういう考え方に接すると、溜息しか出ません。彼らは、今の悪い歯並びを見て、きれいな歯列の未来予想図は描くけれど、不正咬合の裏に潜むものに気付いていないからです。
私は出っ歯を含めて、不正咬合の主たる原因は舌の位置の悪さにあって、これで狭い歯列が形成され、前歯がガタガタになったり、下顎が後退すると考えます。この舌の位置に関係するのが「呼吸」です。鼻できちんと呼吸ができないと口呼吸をするのですが、そのせいで舌の位置がおかしくなります。実はこの弊害は歯並びだけでなく、睡眠や成長に及ぶことがあります。その兆候は幼児期からみられますが、そんな意味でも、年長さんや一年生あたりから比較的簡単に口呼吸の弊害を取ることができる、早い時期の矯正治療が望ましいと考えています。
保田矯正歯科 保田好秀
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