矯正のお話【保田矯正歯科 保田好秀】(193号)
ヘルスコラム
中学生に上がる前後の年齢の患者さんで、上顎の糸切り歯(犬歯)や、六歳臼歯の後ろの十二歳臼歯がうまく生えないのを目にすることが、以前よりも多くなってきたような気がします。
先日も市内の病院の口腔外科に、上顎の犬歯が骨の中で望ましくない方向にあって、軌道修正して引っ張り出すことが必要な犬歯の頭を露出させる手術を依頼しました。この例は良かったのですが、初診の時に上顎の犬歯が生えていなくて、レントゲンを撮ると、犬歯の方向が悪く、頭が二番目の前歯の歯根に食い込んでおり、前歯を抜かざるを得ないこともありました。
下の十二歳臼歯に関しては、親知らずによくみられるように前に倒れてしまうケースもあります。また内側に倒れてしまうこともよくあります。その際には上顎の十二歳臼歯は外側に生えて、咬んだ時にすれ違うような異常な咬み合わせになりますが、放置すれば、顎が歪んだり、中年になった時に歯周病で抜けてしまうリスクが高くなってしまいます。
これらの現象の原因は現代人の顎が加速度的に小さくなってきているからです。私どもでも、小学校の低学年から矯正治療(いわゆるⅠ期治療)を行っていたのにも関わらず、永久歯列が完成してから、Ⅱ期治療として続きの矯正治療(抜歯を伴うことも)が必要となることもありますので、ご理解いただきたいと思います。
保田矯正歯科 保田好秀
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