ともも人物図 【NPO法人なごみ 事務局長 田村幸大(ゆきひろ)さん】地域はみんなの学校!(185号)

ともも人物図 【NPO法人なごみ 事務局長 田村幸大(ゆきひろ)さん】地域はみんなの学校!(185号)
ともも人物図

鳴尾東地域で「地域力」の活性化を目指し活動しているNPO法人なごみ。7月からは福島を地域で応援していこうという取り組みも開始しました。大人も子どもも高齢者も障がいのある人も、まちのみんなが学び育ち合う地域を目指して、活躍する鳴尾東のプロデューサーこと事務局長の田村幸大さんを訪ねました。

■福島との交流とは?

顔の見える継続的なつながりを築くことで風評被害の払拭と復興への支援になれば、との思いが届き、大学生と一緒に、福島県内のNPO団体と連携した「福島・西宮つながるプロジェクト」を始動させました。まず、現状を知るために「まちカフェなごみ」に常設として、現地の新聞や冊子を置き、福島産物を並べ、メニューにも入れています。第3土曜には生鮮農産物を販売するマルシェを開催。大学生は現地での交流も深めながら、オンラインで様々な問題点を話し合うことも始めました。世代や地域をつなぐ交流になると思います。
住民の有志で構成する「鳴尾東ふれあいまちづくりの会」を前身団体とし、平成26年7月に発足したNPO法人なごみ。東日本大震災の復興支援のお礼にと、宮城県女川町の職員さんが『女川さんま祭り』を鳴尾東地域で開催してくださった日、住民主体の運営体制を基本として住民団体や社会福祉協議会との連携によって、NPO法人なごみの活動もスタートしたのです。

◎NPO法人なごみ 事務局長 田村幸大(ゆきひろ)さん

◎NPO法人なごみ 事務局長 田村幸大(ゆきひろ)さん

■まちづくりへの動機は?

大学生の時、学校と家庭以外の場にこそ学びの場が必要であるという想いから、社会教育の場の普及拡大に邁進するも、活動を通じて地域コミュニティ自体が疲弊している現状に気がつきました。そこで、社会教育の充実よりもまず地域を強くすることが優先だと、縁のあった鳴尾東で活動を開始したのです。

■どんな手法で?

まず、集い場をつくり、そこで人々から話を聞き、些細なことでも取り上げて協力団体や行政などが参加する会議で報告し続けました。そうするうちに、お年寄りの暮らしや子育てのことなど気づかなかった様々な問題点が浮き彫りにされたのです。そこで、団体や行政ではできにくい隙間を埋めるような住民同士が助けあえ繋がる仕組みを考えていきました。

■様々な活動が誕生?

『まちcafeなごみ』を拠点にして、暮らしのちょっとした困りごとをワンコインでお手伝いする生活支援事業(まちのよろず屋)、地元のお弁当屋さんと連携して誰もが参加可能な地域食堂(なごみで晩ごはん)、当事者でもあるママさんが主体となって活動する「不登校に悩む親と子の居場所」(といとい)、子育てママさんや、地元の小中高生が中心となって企画運営する鳴尾ふぁみり~マルシェ、大学と地域の連携プロジェクト(鳴尾東つながるプロジェクト)、1歳から90歳でも同級生という、住民が自分の暮らすまちのことを学ぶ「地域のがっこう」など、「こんなことがあれば、したい」を聞きとめ、次々に必要とされる活動が住民主体で生まれています。

◎ 買い物同行活動

◎ 買い物同行活動

■まちづくりの秘訣は?

自分の主張だけでは街は動きませんでした。地域づくりは、その地域に学ぶことだと気がついたら地域が変わるきっかけが見えてきたのです。動かなかったものが、前進し始める小さな変化を感じられることが楽しいですね。

軽やかさと丁寧な思考力をもつ田村さん。こうした様々な住民参加の活動は全国のモデルにもなっています。地域力が高まる鳴尾東地域。ひいて西宮に大きな期待が寄せられています。(武地)


◻プロフィール
昭和61年生まれ。明石市出身。大学3回生のときに「自分たちが行きたくなる学校をつくろう」と有志で学生団体を設立。京都で社会教育活動に取り組む。卒業後NPO法人化してキャンプや職業体験など出張授業を提供。平成25年に「鳴尾東ふれあいまちづくりの会」を発足し翌年NPO法人なごみを設立。
西宮市東鳴尾町2丁目16-19-102(阪神武庫川線洲先駅すぐ) TEL0798-20-2333
【WEB】http://naru.nago.wixsite.com/machicafe 【メール】naru.nago@gmail.com

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