高齢者とてんかん ④【つちやま内科クリニック 土山雅人(日本神経学会専門医)】(175号)

脳神経内科 つちやま内科クリニック
ヘルスコラム

高齢者でみられることが多いてんかん(側頭葉てんかんの複雑部分発作)の特徴を再度まとめてみます。
❶自宅でテレビを見たり、本を読んだりしてくつろいでいる時に前ぶれなく突然意識レベルが低下して、周囲が声をかけても反応しなくなる。椅子から滑り落ちたり倒れることはなく、その場で固まって動かなくなる。車を運転中に発作を起こすこともあり、交通事故に結び付くこともある。
❷発作時は意識がないまま、ガムを噛んでいるように口をもぐもぐさせたり、手や足をごそごそ動かしたり、身体を揺すったりするなどの「自動症」と呼ばれる動きが見られることが多い。
❸発作が終わっても、数十分から数時間(長ければ数十時間)はもうろうとした状態が続く。その間は話しかけられても上手く返事ができず、ふらふらと歩きまわるなどの異様な症状が見られる。頭痛や吐き気などを伴う場合もある。このようなもうろうとした場面を見るとあたかも認知症のようにも見えるが、てんかんの場合はもうろう状態を脱すると以前のしっかりした状態に戻る(但し、発作中のことは憶えていない)。
❹このような発作の際に手足をガクガク動かすけいれん発作はないが、夜間睡眠中にけいれん発作を起こすことがある。

つちやま内科クリニック 土山雅人(日本神経学会専門医)
西宮市段上町1-1-22(甲東園駅東へ3分) TEL0798-57-3600
http://www.tutiyama-clinic.com

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