皮疹のお話 ⑥ ステロイドについて【田所クリニック 田所 丈嗣(医学博士)】(174号)

皮フ科・形成外科 田所クリニック
ヘルスコラム

ステロイドは何だか怖いと思っている方もまだ多いようです。得体が知れないものに警戒心を抱くことは人間の本能として当然です。外用剤として用いられるステロイドは、体内にある副腎皮質ホルモンや同種の合成物質で、主にその抗炎症作用により効力を発揮します。刃物は危険ですが、上手く使えば料理が美味しくなるように、ステロイドも扱い方次第では非常に有益な治療薬です。
ステロイドは作用の強弱によって細かくランク分けされています。最強のステロイドだけで事足りそうですが、皆さんも日本刀でリンゴの皮をむいたり、果物ナイフで骨を断ったりしないでしょう。ただ、ステロイドは魔法の薬ではありません。使い方を誤ると、皮膚が萎縮したり、毛細血管が拡張したり、ニキビや赤ら顔、多毛を誘発したり、感染を悪化させたりします。しかし、色素沈着に関しては濡れ衣です。ステロイドは症状や部位、年齢などによって適切に使い分ける必要があるのです。

皮疹のお話 ⑥ ステロイドについて

皮疹のお話 ⑥ ステロイドについて

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