皮膚がんのお話 ②　爪のホクロについて【田所クリニック　田所 丈嗣（医学博士）】（179号）

皮膚がんのお話 ②　爪のホクロについて【田所クリニック　田所 丈嗣（医学博士）】（179号）

日本チームの大躍進で、ラグビーワールドカップは殊の外盛り上がりました。スクラムやトライ以外の、普段は聞き慣れないラグビー用語を耳にされたかもしれません。試合中、擦りキズや切りキズは絶えませんが、モールやラックで足を踏まれて爪が剥がれるのもラグビーではよくあることです。
日常生活でも、いつの間にか爪に黒い斑点ができていることがありますが、ほとんどの場合、長距離を歩いたり、靴がきつかったりすることで、爪が剥がれないまでも爪の下に出血した結果です。爪が伸びるにつれ出血斑は先へ移動して、自然に消えていきます。爪の縦方向に線状の黒いスジができることもありますが、これは爪の根元にホクロがあってメラニンを産生するため、爪が伸びるとともに縦の線になるのです。
しかし、この線条の幅が急に拡がって爪全体が黒くなったり、線条が途中で途切れたり、濃淡があったりすると爪のメラノーマの可能性があるので、専門の機関を受診しましょう。

皮フ科・形成外科 田所クリニック 田所 丈嗣 (医学博士)
西宮市田中町5-20-2F（エビスタ西出口すぐ）
TEL0798-36-1112　http://tadokoro-clinic.jp