最近の高齢者医療に思うこと ①【西川医院 西川 宏信(日本外科学会 外科専門医)】(178号)
ヘルスコラム
人は日々老いるごとに様々な臓器が弱ってきて、多くの場合は老化に伴う臓器不全で寿命を全うする事が多いと思います。その多くの人の死を見つめていくのは、医療従事者の重大な仕事のうちの一つです。
皆さん一様に痛いまたは辛い治療を受けたくない、ポックリ死にたいと言われますが、実際の医療現場ではそれとは程遠い現実があります。
高齢とともに寝たきりになると、徐々に食べれなくなります。そうなると飲み込む力が弱くなって肺炎を頻発し、低栄養になり褥瘡(床ずれ)がでてきます。低栄養を補うため、点滴や鼻からチューブを入れて栄養剤を注入したり、胃とお腹に穴を開けて(胃ろう)ここから栄養剤を入れたりするようになります。この段階で、こうした医療行為は一体なんのために行なっているのか理解できなくなっている患者さんがほとんどであると思います。(続く)
内科・外科・皮膚科 西川医院 西川 宏信 (日本外科学会 外科専門医)
西宮市馬場町3-23 (阪神西宮駅から南3分・戎参道内・専用駐車場5台有)
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