矯正のお話【保田矯正歯科 保田好秀】(175号)

矯正歯科 保田矯正歯科
ヘルスコラム

 先日、矯正の大きな学術大会が横浜でありました。その筋の著名人の講演といった“華”は、今回ありませんでしたが、有意義な講演やポスターでの発表が幾つかありました。例えば、両顎前突という口元の出た患者さんに対しては、上下左右の第一小臼歯を抜去して前歯を引っ込める矯正治療を行い、審美性の回復や歯周病の予防を図るのですが、舌の居場所が狭くなることによって上気道が狭くなり、いびきや睡眠時無呼吸症を惹き起こすことが、まれにあることが知られています。今回、そのあたりの機能的な問題が大々的に取り上げられていたので、矯正学会も少しは呼吸に注目するようになったんだという思いを抱きました。また、小児の睡眠時の呼吸障害に言及しているものが散見されるようになってきたことも、小児期の口呼吸を問題視し、そこに治療のフォーカスを当てている私どもにとっては我が意を得たりという感じでした。
 違う学術大会ですが、もうすぐ、つくばで睡眠歯科学会が開催されます。文字通り睡眠に特化した学会で、矯正歯科学会とは全く違う雰囲気なのですが、教科書でも大学の矯正学教室でも触れてこなかった分野ですので、新鮮で大いに刺激的です。今回は「小児の睡眠時無呼吸症」のシンポジウムがお目当てで、貪欲に新しい知見を吸収して、診療にも反映できたらと楽しみにしています。

保田矯正歯科 保田好秀
西宮市甲子園口3-20-3 0120-87-3015
http://www.yasuda-ortho.com

関連記事一覧