矯正のお話【保田矯正歯科 保田好秀】(186号)
ヘルスコラム
先日、横浜で矯正の学会があって、興味深い講演が二つありました。一つは「マウスピース型矯正装置の光と影」と題するシンポジウムです。その中でこの装置には、まだまだ解明されていないことも多くあることを学びました。よい点ばかりが強調されて世間に出回っていますが、やはり実際は問題点が多いことを実感しました。使用するには、よほどの注意が必要だと再認識しました。
もう一つは耳鼻科の先生の小児の鼻呼吸障害の話でした。先生は4歳以上であれば、手術によって鼻閉を治療されているそうですが、昼間は交感神経が優位で、血管が引き締まっていることや、立つ・座るの姿勢で、血液が下方に戻りやすいので、血管が腫れることも少なく、鼻閉が起こりにくいとのことでした。それが就寝中は副交感神経が優位になるので、血管も締まりがなくなり、体位の影響で血液も心臓に戻りにくいことも相まって、鼻粘膜が腫れやすく、鼻詰まりを起こすことが結構あると学びました。先生は「隠れ鼻詰まり」と仰っていましたが、私どもの問診で鼻詰まりの実感はないのに、睡眠障害を疑わせるような人がいたり、上顎の狭い人がいるのですが、これなんだ!と合点がいきました。
ちなみに先生は、矯正治療でも私どもが使っている上顎を拡大する装置で、鼻閉が改善すると明言されていました。わが意を得たりです。
保田矯正歯科 保田好秀
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