皮膚がんのお話 ③ ボーエン病について【田所クリニック 田所 丈嗣(医学博士)】(185号)
ヘルスコラム
猛威を振るうコロナ禍も、ワクチン接種や治療薬開発で、多くの国民は以前ほどには恐怖を覚えなくなりましたが、高齢者や基礎疾患等がある人にとって油断は禁物です。しかし、ウイルスというものの特性から、将来は季節性のインフルエンザと同等になると予想されます。
感染対策が施された東京2020大会は、日本選手の大活躍もあり成功裏に閉幕しましたが、海外の珍しい選手名を見聞きされたことでしょう。「ボーエン」も人名です。ボーエン病は、少しカサカサした褐色と紅色のまだらなシミのように見えますが、有棘細胞がんの仲間です。進行した有棘細胞がんは全身に転移し、命に関わる病気です。
但し、ボーエン病は皮膚の表皮にとどまるため、切除してしまえば問題はありません。コロナ対応と同様で、適切に対処すれば、悪いものだからといって必要以上に怖がることはありません。早期発見が重要であるため、心当たりがある場合は専門の医療機関を受診して下さい。
皮フ科・形成外科 田所クリニック 田所 丈嗣 (医学博士)
西宮市田中町5-20-2F(エビスタ西出口すぐ)
TEL0798-36-1112 http://tadokoro-clinic.jp