ともも人物図　【己書びゃっこ道場主宰　井上 雅美】己書（おのれしょ）で気持ちほっこり ！縁結び（179号）

年賀はがきを準備するときに自分なりにもっと文字も文章も気の利いたものにならないかしらと思う方も多いはず。そんな中、書きやすい・もらって楽しいと評判になっているのが「己書」です。昨年、経営する居酒屋「飛躍虎」を閉じて心機一転「己書びゃっこ道場」を立ち上げた井上雅美さんに、その魅力などを伺いました。

■己書の魅力を。

言葉を作ったり選んだり。そしてデザインとして文字を描いていくもので、初めは何度も何度も円を描きます。円相の良い円が描けるようになると文字や絵にも調和が生まれてくるのです。だから読まれた方がほっこりした気持ちになりますし、それにコツが分かれば誰でもすぐに上手くなるのが魅力ですね。

己書

■居酒屋を経営されてたのですね？

８年間甲子園駅近くで居酒屋「飛躍虎」を営んでいました。とても流行っていて常連さんもたくさん応援くださっていたのですが、それだけに忙しくて自分の時間がとれませんでした。それに体力の限界を感じ、すでに師範となっていた己書を広げたいと思い始めていましたので、自分の好きなことをしようと昨年店を閉めたのです。
ＳＮＳ歴も長く、フェイスブックの友達も５０００人ほどになり、皆さんに惜しまれました。だからと言うわけではありませんが、自分の好きなことでみなさんと楽しみを分かち合えたらと「己書びゃっこ道場」を立ち上げたのです。
3人以上集まれば指導に伺うという臨機応変な道場なので、私も気楽に楽しませて頂いています。既に甲子園口や、武庫川団地など数カ所で定期的に開催しています。

■己書との出会いはなんだったのですか？

お店のメニューをどう書こうかと思案しているときにデザインなどを色々調べていると、己書に出会いました。昔からイラストなどが好きでしたので面白い書だなぁと。それに実際取り組んでみて予想以上に楽しかったのです。最近、己書は学校の授業でも取り入れられ、認知症にも効果があるのではと言われ始めています。
自分らしい文言や絵を描くと、自分自身が癒やされるのかもしれません。私も当時は疲れていたので元気をもらったのかもしれないですね（笑）。

己書びゃっこ道場主宰　井上 雅美（左から二番目）

仲間を大事にしたいと井上さんは「月１飛躍虎」を息子さんのお店で開催しています。10月は、これまで店に集まった阪神タイガースの小物などを災害被災者への支援にとチャリティーバサーを開いたそう。「私にできることは、人と人を繋げることかもしれないと思います。「『飛躍虎』という店から、『びゃっこ』」という己書の道場に、変わっただけかも」と、さり気なく話してくれました。（武地）

◻プロフィール
西宮市生まれ神戸育ち。平成23年に甲子園駅前に居酒屋「飛躍虎（びゃっこ）」を開業。阪神の選手なども訪れる人気店に。平成31年に閉店。同時に「己書びゃっこ道場」を立ち上げる。
★近くの会場で己書体験も可（手ぶらで来て90分1500円（2回目以降は2000円））。連絡先：TEL090-2060-9670