胃がんリスク層別化検診(ABC検診)【ほづ医院 保津真一郎(内科医師)】(173号)
ヘルスコラム
胃がんの発生には、ピロリ菌感染が関係しています。「ABC検診」では、血液検査にてピロリ菌感染の有無、胃粘膜の萎縮有無を調べます。この2種類の検査で、胃がんになりやすさをABCDの4段階に分けます。
2016年に、この検診の基準値の改訂がありました。1年間における胃がんの発生頻度は、A群はほぼ0、B群は1000人に1人、C群は500人に1人、D群は80人に1人と言われています。B・C・D群では、定期的な胃内視鏡検診は必要です。ABC検診は今まで、ピロリ菌を除菌していない人が対象で、健康保険は使えませんが生涯に1度は調べておきましょう。
ABC検診でピロリ菌陽性なら、ピロリ菌の精密検査をしてピロリ菌を除菌しましょう。除菌治療は、胃内視鏡検査をしないと健康保険適応にはなりません。国立がん研究センターでは、40歳以上50歳未満の方にABC検診と内視鏡検査を推奨しています。さらに50歳以上の方には、2〜3年ごとの内視鏡検査を推奨しています。
在宅療養支援診療所 ほづ医院 保津真一郎(内科医師)
西宮市里中町3-3-5(阪神鳴尾駅北5分) TEL0798-45-2711 ★日本ヘリコバクター・ピロリ感染症学会員
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