ケガのお話⑪ 深いヤケドについて【田所クリニック 田所 丈嗣(医学博士)】(191号)

皮フ科・形成外科 田所クリニック
ヘルスコラム
◎着衣着火での火傷

◎着衣着火での火傷

着衣着火で年間百件前後の死亡事故が起こっています。衣類にコンロなどの火が燃え移り大ヤケドをすると、命に関わるだけではなく、焼けた皮膚を剥ぎ取って、焼け残った皮膚からの移植手術を何度も繰り返す必要があり、一連の処置には意識を失うほどの激痛が伴います。
熱湯や天ぷら油が広範囲にかかった時は、皮膚が剥がれてしまうので衣類は脱がずに着たまま水で冷やして下さい。すぐに冷やさず深いヤケドになると、同じような痛い処置が待っています。カイロなどによる低温ヤケドや、高温のヘア=アイロンでは皮膚の深部までヤケドになるため、軽く考えると治療が長引き、ひどい傷跡が残ります。
ヤケドには間違っても粘着性のキズテープを貼らないで下さい。テープを剥がす際に水疱もめくれ、かえって治りが悪くなります。診療経験上、ヤケドは外傷の中でも一番受傷してはいけないケガだと考えています。ヤケドをしたら出来るだけ早く専門機関を受診しましょう。

皮フ科・形成外科 田所クリニック 田所 丈嗣 (医学博士)
西宮市田中町5-20-2F(エビスタ西出口すぐ)
TEL0798-36-1112 http://tadokoro-clinic.jp

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