矯正のお話【保田矯正歯科 保田好秀】(176号)
ヘルスコラム
先日の睡眠歯科学会のシンポジウムでは、小児の睡眠時無呼吸症が取り上げられていました。無呼吸症は大人だけのものではなく、幼児でも、アデノイドや口蓋扁桃と呼ばれるリンパ組織が、肥大化して気道を塞ぐことで、無呼吸症が見られます。文字通り、寝ている最中に呼吸が止まるので、小児科や耳鼻科の受診が一般的です。
アデノイドの肥大のピークは4~6歳、口蓋扁桃は少し遅れて5~7歳とされていて、小学校に上がる前後に見られますが、症状が重篤な場合には、アデノイドの切除、口蓋扁桃の摘出が第一選択です。アデノイドなどは年齢とともに小さくなるので、様子を見る選択もありますが、無呼吸が身体の成長、脳神経の発達にも深刻なダメージを与えることもあるので、親としても難しい選択を迫られます。
また、切除や摘出をして無呼吸症の改善が一時的に認められても、口呼吸が常態化しているために、無呼吸症の再発や、それに起因する様々な症状が出たりします。この場合には、狭い上顎を拡げる矯正歯科治療が威力を発揮します。
手前味噌な話ですが、アデノイドを切る予定の子どもの上顎を拡大したところ、アデノイドが少し小さくなり、問題になるような症状が消失し、結果、手術が回避できたという経験もしています。
今後、小児科や耳鼻科と矯正歯科の連携がより重要になってくる気がします。
保田矯正歯科 保田好秀
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